令和元年台風第19号における国税の申告期限等の延長について<OSA通信号外>

 11月下旬に国税庁から令和元年台風19号による災害に伴う国税の取り扱いについて情報が公表されました。
<災害関連情報HP>
 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/r1/0019010-071/index.htm
この情報によると、各国税について被災された方向けの申告期限の延長等がなされています。
 相続税については、平成30年10月12日以後相続開始があった場合において、国税庁の指定地域内に被相続人の納税地がある場合や、平成30年10月10日以後令和元年10月9日までの間に相続開始があった場合に「特定地域」内に所在する土地等(「特定土地等」)を取得する相続人がいる場合には、相続税の申告期限が延長されています。(実際に被害があったかは問われていません)
 なお、特定土地等を取得する相続人がいる場合の相続税の申告期限は令和2年8月11日まで延長されました。
 また、特定土地等については、後日国税庁から公表されている調整率を用いて土地等の相続税評価額を再計算することができることになっています。
 該当する期間の相続税申告書を既に提出済みの場合、令和2年8月11日までであれば訂正申告、それ以後であれば更正の請求により特定土地等について調整率の適用が可能です。
<主な特定地域(抜粋)>
・宮城県、福島県、茨城県、千葉県、埼玉県、長野県:全域
・東京都:大田区、日の出町、檜原村、あきる野市、八王子市
・神奈川県:川崎市、相模原市
・群馬県:富岡市、嬬恋村
 該当期間中に相続開始のあった相続税申告については、通常と異なる対応が生じますのでご注意ください。

★小規模宅地等の課税価格の特例適用は要注意

 相続税の申告期限が延長された被相続人に係る相続税申告については、小規模宅地等の課税価格の特例の適用要件にある「相続税の申告期限まで」の居住・所有・事業継続要件も令和2年8月11日まで満たす必要があります。
 小規模宅地等の特例の適用を受ける不動産を売却する場合にはご注意ください。
                                    (長掛栄一)